倉知朋之介・竹久直樹 展「逆襲」(於: SNOW Contemporary, 2023年8月25日 – 10月7日)のために制作。
http://snowcontemporary.com/exhibition/202308.html
アーティスト・ステートメント / 倉知朋之介・竹久直樹
逆襲 / Revenge
本展が取り扱うのは、感情のままならなさをどうするかということだ。感情は間違いなく自分の身体の中で起こっている。だが形はなく、そのままでは他人に見せることができない。言葉に起こそうにもそれ自体にはならないし、一度言語化したものからイメージを起こしてしまえば、言語化できなかった感情はいつの間にか無かったことになる。
倉知・竹久のふたりはいずれも近年インスタレーションを主に手がけているが、はじめから作品の発表場所が実空間にあったわけではない。倉知はVine、竹久はTumblrと、ふたりのルーツはともに「インターネット上の特定のプラットフォームで流通すること」が前提にあるような制作だった。
ふたりがこの制作を通じて鍛え上げたのは、つまるところ「体幹」なのだと思う。インターネットがそもそも身体不在なのに、体幹としか表現できないような、何かである。今回は、自分の身体の中にあるものに言語化せずとも向き合う方法を、この体幹を通して検討してみたい。出来上がってくるものはおそらくすぐに言葉にはできないが、それゆえに豊かなものになるだろうと考えている。