power/point

  • Curatorial Project / Planned with Harumichi Nakamura & Heijiro Yagi
  • 2022
  • 08 Jan - 13 Feb, 2022, At akibatamabi21, Tokyo
  • Designer: Sakura Koizumi, Koyo Takeuchi, Naoki Takehisa, Takuya Tsunashima, Harumichi Nakamura, Madoka Nakamura, Riku Hoshika, Heijiro Yagi

外観

部屋1

部屋1

部屋2

部屋2

部屋2

星加陸(壁面)、中村円香(左)の設定資料

八木幣二郎の設定資料

小泉桜(上)、中村陽道(左下)の設定資料

竹久直樹の設定資料

企画: 竹久直樹、中村陽道、八木幣二郎

出展: 小泉桜、竹内康陽、竹久直樹、綱島卓也、中村円香、中村陽道、星加陸、八木幣二郎

アキバタマビ21では、 2022年1月8日より2月13日まで、「power/point」を開催いたします。
本展覧会は、複数名のグラフィックデザイナーによる「展覧会広報物の展覧会」です。

 

「ポスターは見たことがある」「展示はまだ見てないけどビジュアルがかっこいい」「行けなかったけどこの画像は知っている」…
展覧会広報物は展覧会の開催に先立って流通し、観客にその展覧会や作品のイメージを視覚的に提示するものです。こうした広報物はおおよその場合、作品の記録写真や展覧会から受ける印象などを礎とし、作家本人ではなくデザイナーの手によって制作されています。また今日において展覧会広報物は、従来のようなポスター博物館への収蔵やグラフィックデザイン年鑑などによる価値づけのみならず、instagramやpinterest、tumblrといったヴィジュアル主体のコミュニケーションを特徴とするSNSにおいて幅広く流通しており、その結果、元の展覧会とは全く脈略のないグラフィックにおいて模倣されたり、広報物本来が持つ物理的縮尺は無視された状態で扱われるなど、展覧会やその諸条件を文脈的・実用的に切り離して流通する状況が生じています。

 

こうした広報物は、作家からの要望や施設が定めたレギュレーション、予算や時間などの制約下において制作されながら、同時に作家より先に展覧会の印象を規定、代弁してしまうものでもあります。しかし、展覧会広報物たちが展覧会や作品、はたまた展示作家やデザイナーからも遊離し、インターネットのなかで「単なるかっこいい画像」として流通するとき、私たちはそれら広報物をどのように鑑賞すれば良いのでしょうか。そして、そうしたものを制作するデザイナーとは、いかなる存在なのでしょうか。

 

本展ではデザイナーそれぞれが本展の告知物を制作し、実際に告知するのはもちろんのこと、展覧会広報物の二次創作や模倣の際に必要となる、と各自が考えるような「設定資料」も併せて展示します。それによって、展覧会広報物という特殊なグラフィックや、そうした状況の中でデザイナーが制作をすることは一体何事かを検討します。
ここに展示されるのは単なる展覧会のお報せであると同時に、デザイナーが現代のメディア環境を引き受けた上で自らの制作物を切り離し、遊離させるための設定資料でもあるのです。

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来るべきデザイナー 現代グラフィックデザインの方法と態度 監修: 室賀 清徳 / 編集: 西山 萌 / 出版社: グラフィック社

ハンドアウト インタビュイー: 野見山 桜(東京国立近代美術館工芸課客員研究員、デザイン史家・デザイン研究者)